2009年01月24日 00:01
少し前の話題になりますが、イスラエルがガザへの侵攻を実行し、発生した紛争が終結し、一応の撤退が完了してから一日が経ちました。
もう少し、早く書いておくべきものだったのですが、何分忙しかったり、ぶっ倒れてたりしたもので。
さてさて、何日だったか具体的な日付は忘れたのですが、ある日のニュースである映像が流れていました。
※これは転載元にて公開されている画像
これとは違いますが、これによく似た光の雨の映像。
これだけ見ると、一見綺麗にすら見えますが、その実態は降り注ぐ残酷な死の雨に他なりません。
――――白燐弾(WP、Willy(ie) Pete(ウィリー・ピート))
そのニュースでは、国際的に非人道的兵器として風当たりが強くなりつつあるこの兵器がイスラエル軍によってガザの町に多数投下されたと言うのです。
そこで、今回は簡単にその「白燐弾」はどのようなものなのか軽く調べてみました。
さてさて、ここまで散々非人道的だとか、国際的に非難が強まりつつあるとか書いてきましたが、実はこの兵器、かなり昔から全世界で非常に広く用いられてきた、とても歴史ある(?)兵器だったりもします。
日本でも自衛隊がこれを装備しています。
白リンは水分を含んだ空気と反応し五酸化二リンを生ずる。
P4 + 5 O2 → P4O10
五酸化二リンは大気中の水分と反応してリン酸になる。
P4O10 + 6 H2O → 4H3PO4
この燃焼の際に非常に濃い、多量の白煙を生じます。
これを利用し、第一次、第二次世界大戦の頃からマーキングや燻りだしの為の発煙弾、敵の視界を遮る煙幕弾、夜間に弾跡を見極めるのに使う曳光弾等として広く用いられてきていました。
自衛隊が装備しているのも、これを利用した発煙弾のみです。
あくまで、これの発する煙自体はよほどの高濃度でない限り人体に害はないので問題はありません。
別段非人道的と呼ばれるほどのものでもありません。
問題なのは、こいつの燃焼温度とこいつ自身の性質にあります。
それは、2500℃にも達する燃焼温度と脂質溶解性という二つの困った性質です。
まず、2500℃にも達する高熱が人間の皮膚に触れると、火傷なんてものではすまず、あっという間に焼け焦げ、溶かし、場合によっては一部蒸発してしまうことすらある温度です、
そんなもので焼かれれば、とても再生できるものではありません。
また、脂質に溶解するということは、皮膚の内側へ浸透しやすいということであり、骨まで達する高熱は後の対処をより一層困難なものにします。
さらに、白燐は空気中の酸素と反応し、わずかでも白燐が残っている限り勝手に燃え続ける為、殆ど消火の手立てがありません。
想像できるでしょうか。上空から雨のように降り注いできた破片が皮膚につくなり異臭とともに激しい白煙を上げながら凄まじい高熱を発しつつ、骨まで焼き尽くすその様相を。
イスラエル軍はハマスに対する煙幕として使ったと主張しているようですが、はてさて?
とりあえずここまで大まかに白燐弾についてだだだっと述べてみました。
こんな駄文でも、大体どんな兵器か分かればと思います。
また機会あれば、被害の実態や議論の情勢なんかも書いてみようかと思います。
ではでは。
注)
英名はWhite Phosphorusで白燐ですが、これを日本語で言うと黄燐になります。
今回は面倒なので、全て白燐で統一しています。
参考&画像転載元
http://www6.ocn.ne.jp/~boogie/white_phosphorus_weapons.htm#1
非常に詳しく、参考になるHPです。
白燐弾Wiki pedia
もう少し、早く書いておくべきものだったのですが、何分忙しかったり、ぶっ倒れてたりしたもので。
さてさて、何日だったか具体的な日付は忘れたのですが、ある日のニュースである映像が流れていました。
※これは転載元にて公開されている画像
これとは違いますが、これによく似た光の雨の映像。
これだけ見ると、一見綺麗にすら見えますが、その実態は降り注ぐ残酷な死の雨に他なりません。
――――白燐弾(WP、Willy(ie) Pete(ウィリー・ピート))
そのニュースでは、国際的に非人道的兵器として風当たりが強くなりつつあるこの兵器がイスラエル軍によってガザの町に多数投下されたと言うのです。
そこで、今回は簡単にその「白燐弾」はどのようなものなのか軽く調べてみました。
さてさて、ここまで散々非人道的だとか、国際的に非難が強まりつつあるとか書いてきましたが、実はこの兵器、かなり昔から全世界で非常に広く用いられてきた、とても歴史ある(?)兵器だったりもします。
日本でも自衛隊がこれを装備しています。
白リンは水分を含んだ空気と反応し五酸化二リンを生ずる。
P4 + 5 O2 → P4O10
五酸化二リンは大気中の水分と反応してリン酸になる。
P4O10 + 6 H2O → 4H3PO4
この燃焼の際に非常に濃い、多量の白煙を生じます。
これを利用し、第一次、第二次世界大戦の頃からマーキングや燻りだしの為の発煙弾、敵の視界を遮る煙幕弾、夜間に弾跡を見極めるのに使う曳光弾等として広く用いられてきていました。
自衛隊が装備しているのも、これを利用した発煙弾のみです。
あくまで、これの発する煙自体はよほどの高濃度でない限り人体に害はないので問題はありません。
別段非人道的と呼ばれるほどのものでもありません。
問題なのは、こいつの燃焼温度とこいつ自身の性質にあります。
それは、2500℃にも達する燃焼温度と脂質溶解性という二つの困った性質です。
まず、2500℃にも達する高熱が人間の皮膚に触れると、火傷なんてものではすまず、あっという間に焼け焦げ、溶かし、場合によっては一部蒸発してしまうことすらある温度です、
そんなもので焼かれれば、とても再生できるものではありません。
また、脂質に溶解するということは、皮膚の内側へ浸透しやすいということであり、骨まで達する高熱は後の対処をより一層困難なものにします。
さらに、白燐は空気中の酸素と反応し、わずかでも白燐が残っている限り勝手に燃え続ける為、殆ど消火の手立てがありません。
想像できるでしょうか。上空から雨のように降り注いできた破片が皮膚につくなり異臭とともに激しい白煙を上げながら凄まじい高熱を発しつつ、骨まで焼き尽くすその様相を。
イスラエル軍はハマスに対する煙幕として使ったと主張しているようですが、はてさて?
とりあえずここまで大まかに白燐弾についてだだだっと述べてみました。
こんな駄文でも、大体どんな兵器か分かればと思います。
また機会あれば、被害の実態や議論の情勢なんかも書いてみようかと思います。
ではでは。
注)
英名はWhite Phosphorusで白燐ですが、これを日本語で言うと黄燐になります。
今回は面倒なので、全て白燐で統一しています。
参考&画像転載元
http://www6.ocn.ne.jp/~boogie/white_phosphorus_weapons.htm#1
非常に詳しく、参考になるHPです。
白燐弾Wiki pedia
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